有価証券って? 有価証券とは、手形・小切手・株券・債券・船荷証券・倉庫証券・貨物引換証・商品券などの類で、有価証券はそれ自体に財産的価値があります。有価証券は譲渡することにより、その有価証券の持っている財産的権利を簡単に移動させることができます。有価証券は、表示する権利の種類によって、株券・債券などの資本証券と手形・小切手などの貨幣証券・貨物引換証などの貨物代表証券といった区分があります。今回はこのことについて話していきたいと思います。 有価証券の性質 有価証券には8つの性質があります。1つ目は証拠証券です。これは事実の書証としての性質を持つ証券をいい、すべての有価証券には証拠証券性があります。2つ目は要式証券です。これは法律によって一定の記載事項を記載することが要求されている証券をいい、株券や社債券、為替手形、小切手などが要式証券です。3つ目は文言証券です。これは証券の表章する権利の内容が証券に記載されている文言のみによって定まり、他の立証方法では変更・補充できない証券をいい、手形や小切手などが文言証券です。4つ目は設権証券です。これは権利の発生には証券の作成が要件となっている証券をいい、手形や小切手などは設権証券ですが、株券や貨物引換証は既存の法律関係を証券に記載したものなので、設権証券ではありません。5つ目は呈示証券です。これは証券の表章する権利の行使に証券の呈示が要件となっている証券をいいます。6つ目は受戻証券です。これは証券と引換えでなければ目的物の給付を要しない証券をいい、倉荷証券などが受戻証券です。呈示証券の多くは受戻証券ですが、数回の給付が予定されている証券では呈示証券性はあるものの、最後の給付までは受戻証券性はありません。7つ目は免責証券です。これは形式的資格をもつ所持人を権利者として弁済すれば義務者は責任を免れる証券です。8つ目は引渡証券です。これは証券の引渡しが物品の引渡しと法律上同一の効力(物権的効力)をもつ証券をいい、貨物引換証、倉庫証券、船荷証券などが引渡証券です。 有価証券の分類 有価証券は3種類に分類されます。1つ目に表章する権利の種類に応じて、債権証券、物権証券及び社員証券があるとされます。いずれにも分類されないものとして、受益証券があります。2つ目に表章する権利の内容に応じて、資本証券、金銭証券、物品証券という分類もされます。しかし、このほかにも労務の提供を受ける債券を表章するものとして、乗車券、観覧券、テレホンカードなどの有価証券があります。3つ目に権利者の指定方式による分類があります。有価証券は権利者の指定方式に応じて、記名証券)、指図証券、無記名証券及び選択無記名証券に分類されます。