銘柄選びは目的別に 株取引の際には、銘柄を選ぶという作業が発生していきます。どこの銘柄を選ぶのかによって、何をどれだけ得られるのかが違ってきます。そう考えると、もっとも重要なポイントと言っても過言ではないかもしれません。ただ、銘柄選びというのは儲けのみを考えればいいというわけではありません。もちろん、儲けは大切なのですが、もっと細かく目的を考えていく必要があります。インカム、キャピタル、株主優待といった具合にその目的に別に銘柄を選ぶようにしましょう。そうすることが株取引を成功させる秘訣とも言えるでしょう。 インカム インカムというのは、正確には「インカムゲイン」と呼ばれるものです。インカムゲインというのは、株式を保有していることで得られる配当や優待による利益のことを指します。株式を持っているだけで発生する収入だからこそ、「インカム(income)」と表現されるのです。最近では不動産などの不労所得に憧れているという方も多いでしょうが、このインカムもまさにまさに不労所得と言えるでしょう。 株取引における配当というのは、インカムゲインのひとつになります。配当というのは言葉の響きからも何となくおわかりになるかもしれませんが、企業が得た利益の中から株主に対して還元するお金のことを指します。配当は絶対にしなければいけないというものではなく、配当をするのかしないのかは企業によって異なってきますし、配当をするにしてもどれくらいにするのかといった部分は企業の経営方針によって違ってきます。たっぷりと利益が得られていても株主には還元しないという企業もあれば、逆に利益が得られていないのに株主に還元するというような企業もあります。配当で企業の姿勢が垣間見えるとも言えるかもしれません。 海外ではインカムゲインというのは、配当のことのみを指します。ただ、日本でインカムゲインといった場合には、株主優待についても含むことが多いようです。株主優待については後程詳しくお話しますが、株主優待に関しても配当と同じように経営方針によって決められることになります。そのため、株主優待のある企業もあれば、株主優待のない企業もあるのです。一方で、配当はないものの株主優待を手厚くする企業などもあるようです。どちらにしても、インカムゲインを目的に銘柄を選ぶのであればどれくらいの配当やどのような株主優待があるのかを事前にしっかりとチェックしておきましょう。 キャピタル キャピタルというのは正確には「キャピタルゲイン」と呼ばれるものです。キャピタルゲインは「capital gain」と表記するのですが、株式の売買によって得られる利益のことを指します。株で得られる利益といったときに多くの方が真っ先に思い浮かべるであろうものがキャピタルゲインです。キャピタルゲインはとてもシンプルで、買ったときよりも高く売ることによって利益を生み出します。 少し前になりますが、スマートフォン用のアプリが爆発的な人気となり、それに伴って運営会社の株価も爆上げとなったことがあります。それまではあまり知名度のない企業だったのですが、株価が安いうちにその企業の株を購入していたという方がその後、億万長者になったという話もあるのです。これがまさにキャピタルゲインです。 株価の上がりそうなものを探して、安いうちに購入しておき、株価が上がったところで売却するというのが基本的な方針になります。ただ、言葉にするのは簡単なのですが、実践するのは思っている以上に難しいです。当然、株価が値下がりすることもありますし、そういった場合には買ったときよりも安く売ることになりますので、損失が出ます。ちなみに、この損失のことを「キャピタルロス(capital loss)」と呼びます。 あまり注目されていない株を安いうちに高騰するだろうと予想して購入するというやり方もできますし、ある程度の株価になっているものがさらに高騰するだろうと予想して購入するというやり方もできます。どちらにしても、先の先を読むことが求められるといっていいでしょう。 株主優待 最近では株主優待だけで生活するような方が取り上げられていますので、株主優待に興味を持っている方も多いでしょう。株主優待というのは、企業からのありがとうの気持ちです。というのも、自社の株式を保有している人に対して還元するのが株主優待なのです。株の銘柄を選ぶ際に、株主優待で選ぶというのもひとつの方法になります。 ただ、株主優待というのはその内容が一生続くわけではありません。業績が悪化して株主優待の内容がどんどん貧相になっていくこともあるでしょうし、最終的には株主優待そのものがなくなってしまう可能性もあります。そういったことを考慮して、株主優待を目的とする場合には、その企業の将来性といったものにも注目しておくようにしましょう。