債券は満期償還まで保有すれば、発行体に倒産等のことがない限り、額面通りの金額で償還されますが、中途換金の場合の取引価格は金利変動等の影響を受けるため、金額は変動します。しかし、債券の利回りは原則として、期間の長いものの方が高くなります。運用期間に合う銘柄を選ぶことが債券運用のコツと言えそうです。また、購入前に運用期間を決めておきましょう。
債券を選ぶ際に、必要なポイントは8つあります。1つ目は資金調達のためにお金を借りる側を指す債券の「発行体」です。発行体によって利息の支払いなどの条件が変化します。国、地方公共団体や民間企業等、発行体はいろいろありますが、経営、財務状況や格付などの健全性を判断しましょう。2つ目は債券の購入単位の金額のことで、償還時に戻ってくる金額を指す「額面金額」です。最低の額面金額も債券の種類によって異なります。3つ目は債券価格です。債券価格は市場の流れによって変動します。額面金額を100とし、それに対しいくらかという比率で表現します。一般的にこの比率を円で呼ぶことが多く、例えば、95.55%を95円55銭と呼びます。4つ目は利率です。これは、額面金額に対して毎年支払われる1年間の利息の割合のことで「クーポンレート」や「クーポン」とも呼びます。5つ目は債券が償還を迎え額面金額が戻ってくる日のことをいう「償還日」です。償還日前に一部または全部を繰上げて「期中償還(繰上償還)」することもあります。6つ目は「新発債」と「既発債」です。新発債とは、新規に市場で発行される債券のことで、新発債は発行条件が提示され、一定期間、募集が行われます。既発債は既に発行され、債券市場で売買されている債券のことです。既発債は時価で売買されているため、価格は日々変動します。既発債は種類がさまざまで、ライフプランに合ったものを選ぶことが可能です。
債券の利回りは、主に各通貨に異なるベースの利回りと発行体ごとに異なる上乗せ部分に分けることができます。そのため、利回りとは「どこの通貨を選ぶのか」でかなり左右されます。日本の投資家がより高い利回りを求める場合、どの通貨の為替リスクを取って円建て以外の債券を購入するかは、重要な判断のポイントになります。